551形は昭和36年度から製造された、4連基本編成としては吊り掛け駆動の最後の形式となります。 湘南形の発展型とでも言いましょうか、中桟を細くした斬新な形状でその後の西武車両の基本形と なり801系・101系までと、その類形としてN101や3000系まで続くいわゆる西武顔の初代車と成ります。 側面窓・扉配置は451形と同様の2窓1ユニットで3扉を踏襲、車内見付けもほぼ451形と同様ですが、 車端部の吊り革・網棚支持パイプの削減、ファンデリアの増設(2基→4基モハは一箇所毎、サハは車 端部から一箇所毎に配置、側扉に初のアルミハニカムドアの採用(但し車内側は塗装仕上)、貫通路 の再広幅化等が変更されました。外観は正面は前述の様に変形湘南形、通風器は国電型グローブ ベンチレーター、車番標記の金属板切抜き貼り、当初から標識灯の埋め込み化等在来車に較べレベル アップされておりました。 しかし、足回りや制御装置等の装備機器は在来車同様の、DT10台車・MT15主電動機(100Kw)・ CS-5制御装置・AK3CPで相変わらずの戦前型省線電車の走りでした。唯一の変化はMGが3Kw に容量増と成った位です。 551形の特徴としては、電機連結器の初採用が挙げられます。これは編成の長大化に備え電磁弛め 弁と共に採用された当形式からの新装備で、途中駅での連結、解放の簡便化に貢献しました。これ等 の装備は、後に在来車全体に及ぶこととなります。 面白いのは、電連が編成中間部にも使われていた事ですが、後に一般型のジャンパ栓に変更され ています。 昭和36年末から始まった朝の急行8連化に際し、所沢での4両増結運用に本形式が優先的に使用 されますが、その為、新宿線配属車も池袋線に集約されました。 編成は当初4両固定のMc+T+T+Mcでしたが、昭和43年に501系の2M4T編成解消による中間サハ 2両5組を当形式に挟み、5本が6両編成となります。組み込みサハは一方を電装化してモハ571・サハ 1571形を名乗ります。元々増結車はサハ1551型の増備車であった為、全く違和感は有りませんでした。 更に昭和53年この571ユニット2両は551系編成から外され独立してMc+Tc化されます。但し番号 はモハは奇数車のみで、クハはモハが奇数車のみだったので当時の西武の番付流儀の通り全車偶 数車となります。 赤電グループでは、多摩湖線の351形を除くと最後まで残り、昭和60年代当初まで使用されました。 尚台車は、当初411系で使用されていたFS40が同車のFS372化で余剰となった為、本形式が貰い 受け吊り掛けながらエアサス化された車も出現しました。571系は最終的に全てFS40に履き替えて います。 尚中途で室内蛍光灯の交流40W化が計られましたが、全車に及んだかは定かではありません。この 低圧交流化改造は701系冷改車からの発生品と思われます。 完成直後は上石神井配置で半年ほど新宿線で使われました。上石神井区 昭和36年8月 赤電吊り掛車4両固定としての最終編成561F試運転 秋津 昭和37年4月 上同試運転車保谷帰還。 レジンシューを最初に試用した編成でした。以降順次荷電を除く全車に及びます。 保谷 昭和37年4月 561F他8連準急池袋行き 秋津~所沢 昭和44年 国分寺線区間運用に就く559F 東村山 昭和43年 平日朝間運転された各停ひばりヶ丘行き559F 保谷~ひばりヶ丘 昭和S37年 当時ひばりが丘駅には折返し用渡り線が在りました。 練馬駅にて 昭和36年 吾野~飯能区間運用に就く553F 東飯能駅 昭和37年 同上 モハ554 東飯能 昭和37年 電連付を買われて、朝の所沢増・解結の急行に積極的に充当されました。東長崎~江古田 昭和37年 575+1575を組み込んだ6両固定編成化後の555F 小手指区 昭和44年 クモハ553 小手指区 昭和44 553F 東久留米~清瀬 昭和38年 サハ1554 小手指区 昭和44年 中間電動車モハ575 小手指区 昭和44年 サハ1575 小手指区 昭和44年 初採用電気連結器 551F 上石神井区 昭和36年 切り抜き車番標記 451系と 所工出場後暫く保谷庫でED14-3と供にに留置中の551+1551。 前面ガラスは入荷待ちの状態でした。 保谷庫 昭和36年 編成表(記載内容・数値に誤りがあれば、ご容赦下さい) 551+1551+1552+552(S36年) 553+1553+1554+554(S36年) 555+1555+1556+556(S36年) 557+1557+1558+558(S36年) 559+1559+1560+560(S37年) 561+1561+1562+562(S37年) 1563+1564(S37年)→571+1571(S43年551編成組込)→(S53年Mc+Tc化571+1572) 1565+1566(S37年)→573+1573(S43年553編成組込)→(S53年Mc+Tc化573+1574) 1567+1568(S37年)→575+1575(S43年555編成組込)→(S53年Mc+Tc化575+1576) 1569+1570(S37年)→1577+577(S43年557編成組込)→(S53年Tc+Mc化1578+577) 1571+1572(S37年)→1579+579(S43年559編成組込)→(S53年Tc+Mc化1580+579) 晩年2連化時の編成( )内は元601系クハ1601形 556+(1657) 557+(1660) 558+(1659) 譲渡表 551(運転台のみ)→一畑デハ93 552→一畑デハ93(両運) S61年 553(運転台のみ)→一畑デハ92 554→一畑デハ92(両運) S61年 558+(1659)→流山モハ1301+クハ71 S62年 560+(1661)→一畑デハ91+クハ191 S60年 561+(1658)→流山モハ1210+クハ81 S59年 575+1576→三岐クモハ607+クハ1608 S63年 記載なき車番は、譲渡無く廃車です。 (ブログ内掲載の写真・記事等の転載はお断りします。)
by tetudankai5501
| 2012-02-10 01:39
| 西武鉄道
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Comments(6)
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清68
at 2012-02-11 23:37
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落成直後の勇姿、美しいです。未来への希望があふれる清々しさを感じます。
24両と少数派でありながら、4連から6連に、また4連に、さらに2連に、ついには譲渡に際して両運にと変化に富み、台車のバラエティもあり、常に動きがありました。 FS40を装着された時は、間延びした台車と重みのない駆動音に違和感を覚えましたが、4連に戻った時にサハもFS40に交換された整った姿には感激しました。落ち着いた乗り心地と相まって、吊りかけ赤電の完成型が出来上がった!と改めて見直したものでした。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-12 01:17
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清68様 いつも御覧くださり有難う御座います。
451形ののっぺりとした切妻は好きになれなかったのですが、551形は一転 湘南タイプへの回帰でした。が新しい要素も採り入れた好感の持てる車両でした。 FS40は軸距が長かったので優雅な乗り心地で好みでした。末期には仰るように サハも揃った台車で見事でした。廃車の直前まで綺麗に保たれていたと思います。 晩年の写真が無いのが残念でなりません。
団塊鉄ちゃん様、いよいよ551系登場ですね。
私は皆さんとはやや意見を異にしておりまして、551系で一番美しい思うのはM車だけFS-40に交換されて、6連で新宿線の本線を疾走していた姿です。該当するのは551~557Fの4本で、期間も昭和47年頃から571系が抜ける昭和53年頃までと短いですが、411系同様、FS-40による澄んだツリカケ音と、台枠の共鳴する音でしょうか、「キュキュン」という音が気に入っています。501系のエアサス車も似たような澄んだツリカケ音でした。 鼻筋の通った湘南型とFS-40の組み合わせが素晴らしいと思っていますが、その当時の写真がほとんどないのが残念です。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-12 17:29
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つのすけ様 いつもお世話になります。
FS40台車は何基製作されたのでしょう?。当初411~429までの19両分と 551~556、571・573・575の合計28両分だったのかと思うのですが、411の 401系化によって19両分が551系に廻って来たとすると、557,558及び1551~ 1556、571系の577・579及びその相棒のクハ5両が履き替えて15両、あと残余 の4両分はクハ1651形が履いたのでしょうかね。難かしいです。
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清68
at 2012-02-12 23:17
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今晩は。
FS40、ご推察のとおり28両分だと思います。 551と組んだ1651は次の通り3両でしたので、全部FS40に交換されたとして、あと1両分は余ったということになりますね。 1657-556 557-1660 1659-558 現在は近江の220型に健在ですね。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-13 00:27
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清68様 何時も有難う御座います。
FS40台車、流山に行った558+1659以外は最終的に全部近江に集まった 事になりますね。なにか最近は電車改造の貨車にまでそのままFS40を使って いるようで、昔吊り掛け電車の台車確保に翻弄していた西武時代とは隔世の 感が有ります。
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