501系(2代目)は、昭和30年代中期の池袋線を代表する車両でした。 旧501系(17m)の後を受け、続番で521~530が第一期として最初に出場、形態は当時の国電全金車72系920台や70系300台の影響を強く受けた西武初の全鋼製20m電動車で、 2段完全上昇窓、Hゴム支持の戸袋窓、イボ付きシート張り鋼板屋根等が特徴でした。 第二期増備車は、旧501系が17m車と言う事で411系(初代)に改番される事となり、 そのサハ1501~1520をそのまま挟んだ両端クモハのみ20両製造されました。 車体構造はほぼ同じですが、屋根はビニールシート無しで銀色に塗装されました。 更に511以降は車内吊り手受けが、網棚支持兼用のパイプ構造になります。 (詳細には、これが第三期となります。)これは後の451系以降にも引き継がれます。 整理しますと 第一期 521~530 昭和32年~同33年製 サハも同時新製。台車はTR22 第二期 501~510 昭和33年製 サハは旧501系の1501~1510で木製雨樋。 (後に鋼製細雨樋に取替え)台車はTR25類。 第三期 511~520 昭和33年~同34年製 サハは旧501系の1511~1520で鋼製細雨樋。 台車はDT13又はDT12。(但し518~520はTR22) TR22以外は後に全て401系初代で試みた空気バネ付きに改造されました。 一時期サハ1563~1572を各2両ずつ組み込んだ2M4T編成を組んだことも有りましたが、 これは後に半数が電装化され571型として同形態の551系に組み込まれました。 尚、2M4Tはモハの負担平均化の目的で固定編成では無く、定期的な編成換えを実施していました。 又当時吊り掛け唯一の弱め界磁使用車でも有りましたが、加速が悪い為、駅間距離の短い区間では 弱め界磁段に入る前にノッチオフ、即制動といった状況で、余り役立ちませんでした。 新宿線で2M4Tが殆ど使われなかったのはこの事が理由かと思われます。 しかし一時代を築いた赤電吊り掛け車を代表する、501系(2代目)の保存車が無いのが何とも残念です。 第一期車 525編成 クモハ・サハ同形態同時製作の4連 西武秩父線 昭和44年12月 第一期車529F 。サハも同時製造で揃った編成美です。台車はTR22 小手指区 昭和43年 ![]() こちらは第三期車515F。サハは旧501系一代目車。 台車はDT13 ひばりヶ丘~東久留米 昭和42年 この編成の中間サハは、大井川譲渡後客車スイテ821、ナロ801となり現存します。 ![]() こちらも第三期最終増備車のクモハ519 台車はTR22 小手指区 昭和43年 ![]() こちらは第二期車のクモハ504 台車はTR25改 小手指区 昭和43年 ![]() こちらも第二期車 クモハ502 空気バネ改造前 吾野 昭和37年 ![]() 写真は最初に登場の第一期車521F 江古田駅 昭和36年 ![]() こちらも第一期車529F 保谷~ひばりヶ丘 昭和36年 ![]() クモハ504を先頭にした朝の急行503F+421形×2 保谷~ひばりヶ丘 昭和37年 ![]() 写真は第三期車513F飯能行き 所沢~西所沢 昭和37年 ![]() サハ1551型2両を中間に挟んだ、501系による2M4T編成。先頭はモハ522。小手指区 昭和41年 ![]() 複線化成った小手指(信)~狭山ヶ丘を行く519F 昭和42年 ![]() 写真は第一期編成組み込みサハ1527。モハと同形態。 小手指区 昭和43年 ![]() こちらは第三期編成組み込みサハ1512。旧501系一代目車。 小手指区 昭和43年 ![]() 台車写真 上DT13改空気バネ。下TR22 共に主電動機はMT30出力128Kw ![]() 最後に譲渡先を記述しておきます。(誤り等有りましたらご容赦下さい。) クモハ サハ 521→伊豆箱根モハ1012 1521→伊豆箱根サハ2007 522→伊豆箱根モハ1011 1522→伊豆箱根サハ2008 523→流山クモハ1206 1523→三岐サハ1523 524→流山クモハ1207 1524→流山サハ63 525→三岐クモハ525 1525→三岐サハ1525 526→三岐クモハ526 1526 527→伊豆箱根モハ1013 1527→流山サハ61 528→伊豆箱根モハ1014 1528 529→伊豆箱根モハ1009 1529→伊豆箱根サハ2005 530→伊豆箱根モハ1010 1530→伊豆箱根サハ2006 501 1501 502 1502 503 1503 504 1504 505→三岐クモハ505 1505→三岐サハ1505 506→三岐クモハ506 1506 507 1507 508 1508 509→流山クモハ1213 1509→流山サハ62 510→流山クモハ1205 1510 511→流山クモハ1208 1511→流山サハ63 512→流山クモハ1209 1512 513 1513 514 1514 515→流山クモハ1201 1515→大井川スイテ821 516→流山クモハ1202 1516→大井川ナロ801 517 1517 518 1518 519 1519 520 1520 (ブログ内掲載の写真・記事等の転載はお断りします。)
by tetudankai5501
| 2012-02-02 23:21
| 西武鉄道
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Comments(8)
こんにちは。
501の保存車が皆無なのは本当に残念ですね。 351は保存されていますが、いろんな寸法が微妙に違うので、代用というわけにはいかないものです。寸法が違うといっても、いずれも5センチ以内に収まるような差異なのですが、表情には影響するのですね。 では、501は全く残っていないのかというと、ありました。2段完全上昇窓です。501から始まって、451、551、601、701、411、801、101、さらには5000の業務用室窓と、延々と使われています。 配置の仕方で雰囲気が変わりますが、同じものと思います。 (途中から少し枠が太くなっているようではありますが。) 保存された101と5000にしっかりと501の足跡も留められることになったわけで、何よりと思います。 長文失礼しました。
清68様 いつもコメント頂き有難う御座います。
501形2代目は、1代目に較べ格段にスマートでした。20m車長、浅くなった屋根、Hゴム 支持戸袋窓、全鋼製車体など車体は当時の流行を手堅く取り入れていましたね。 501系2代目を始めて観たのは昭和32年登場数ヵ月後、練馬駅でした。子供心に随分 スマートな電車だなあと感じました。同じ年に登場した横須賀線クハ76の300台そっくり でした。501系1代目が17m車体に深屋根のずんぐりした車体だったからかも知れません。 二段完全上昇窓、上の段は外側の溝に引っ掛けて固定する仕掛けでしたね。800mm 角だったと思います。5000系の車販室窓も仰るように同じ寸法でした。ただ窓周り 切抜きが、上方だけRがついていました。
団塊鉄ちゃん様
またまたお邪魔いたします。 501系(2代目)確かにスマートですね。 今考えれば、かえってカルダンでなく吊り掛け駆動のほうがこの車両にはあっていたように思います。 浅い屋根、洗練された側面、20m車長も手伝って、他の関東私鉄18mカルダン車にはない魅力があるように思います。 片開きドアが災いしたのでしょうか、淘汰が割と早めでしたね。 本題とはずれますが、「Chemin de Fer de la Mure T9」をYOUTUBEで検索されますと、ちょっと見E51似の機関車の動画にヒットします。 フランスの私鉄で使用、メーターゲージ、色もローズピンク、スイス製(但しBBCではない)です。 これを見て、やはりE51は欧州の血が色濃く流れているな、と感心した次第です。 ぜひお時間がありましたら、ご覧になってみてください。
vasutfan様 何時も有難う御座います。
二代目501系、西武赤電中最も親しんだ車でした。今1両も現存しないのは誠に 残念です。伊豆箱根に行った車両でDT17や20を履いた車も有りましたが、やはり 西武時代のDT12や13を改造したエアサス台車が一番お似合いでした。 YoutubeのChemin de Fer de la Mure T9早速見てみました。確かにED12やED54 にそっくりですね。赤い色まで西武と同じです。これは観光鉄道なのでしょうか?。 T6,T9二台の機関車が確認できました。終点なのでしょうか、機回しをしていましたね。 海外の古典SLの映像は良くTV等で見ますが、古典ELは珍しいです。ED12も国鉄 時代は、あの大きなパンタと吊り下げヘッドライトだったですね。 良いものを見せて頂きました。有難う御座います。
こんにちは。
お写真、楽しませて頂きました。 2M4Tとはすごい編成ですね。過負荷になっていたのではないかと感じます。 最近は冗長性を意識してM車比率を上げる傾向にあるかと思いますが、総武快速・横須賀線系統を走るE217系でさえも4M7Tですので、だいぶM車比率が少なく感じます。加速が悪かったとのご記載がありますが、実際にどのような感じだったのか、乗ってみたかったと感じます。長距離を止まらずに走るような運用でないとダイヤに乗らなそうですね。 東京の拡大期で車両を少しでも増やして運用する必要があった時代の、苦肉の策だったのかもしれません。 また、いかにも古い台車を空気バネに改造した台車も、特徴的なものですね。走るときの振動とともにモーターの振動も伝わってくる吊り掛け駆動の電車においては、効果は大きかったものと思います。改造後の台車の外観もいいですね。 今後とも、宜しくお願い致します。 風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
風旅記さま
ご覧いただき有難うございます。 西武501系は昭和30年代中期の池袋線の主力でした。初のオールメタル 車体に2段上昇窓、Hゴム支持戸袋窓など国電モハ72-920台の流れを 汲むスマートな車体が好ましものでした。この後に登場した451系が国鉄 モハ90系の劣化コピー版でしたから501系はカルダン車601系が登場する までずっと西武のエースでした。 件の2M4T編成ですが、当時の西武は全て国鉄払い下げの電動機や制御 器を工面して使用していたのですが、遂に部品が底をつきモハの種車が 皆無となりやむを得ずサハのみ製作する事態となり、当時最も出力の大きな 501系2M2Tの間に新製サハ2両を挟みここに有名な2M4Tが出現することに なりました。この辺りの状況は弊ブログ別項「2M4T」に纏めておりますので、 ご覧頂けたらと存じます。 西武はその後、ようやく昭和37年になって初めてカルダン車を採用しました。
古い記事へのコメント恐縮です。
二代目501系は流鉄に譲渡されたのはご存知だと思いますが、私が流鉄時代の末期に乗り鉄しにいったところ、流山車庫の裏手で解体中のサハを見かけてショックを受けたのを思い出します。 もしも横瀬の博物館化がもう少し早く始まっていれば、流山からの里帰りもあり得たのかな、と思うと寂しいですね。
> ホロウィツィック様
ご覧いただきありがとうございます。 二代目501系は西武吊り掛け車全盛期の池袋線の主力車でした。 15編成有った訳ですが、西武退役後は流鉄・伊豆箱根・三岐の 3社に譲渡されました。大井川で客車になったサハも有りました。 現存するのは大井川の初代501系のサハだけですね。 西武に1両も残っていないのは本当に残念に思います。
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