今回は西武赤電の中でも終始地味な存在であった、451系について辿ってみました。 451系は501系二代目の後を継ぎ、昭和34年秋に登場した西武最初の両開き扉を採用し国鉄 101系を模した車体で、湘南形の在来車に比べ多分に工作の簡素化を意識した設計でした。 当時国鉄で試作された貨物気動車キワ90が当車に形状、塗色共に類似していました。 足回りも501系のMT30系128KwからMT15系100Kwにダウン、台車も当初DT10平軸受と取り 合えず走れば良しと言う性能で乗り心地も悪く、走行性能に見るべきものは有りませんでした。 最初はモハだけの新造で相方はクハ1411型、1461代(正面広窓)と1451代(正面狭窓)とちぐは ぐな編成で、モハは相手方クハよって461代と451代に番号分けをしていました。 当初20両は新宿線に集中投入、池袋線には同型サハと4両固定編成とした471~474が翌年から 配置されました。3本目からは赤電新塗装で出場しますが、何故か番号が飛んで481番代となります。 481番代は481~488まで計6本の4両固定編成車が登場しました。 その後はサハ1489~1492の付随車のみが製造されます。これは当初371型と組みますが、程なく CS5化された社型301型と組み直し、池袋線で暫く新旧混成珍編成で活躍しておりました。 サハに引き続き今度はクハのみ6両(1451~1456)を製作しますが、これらは551系の影響を受け 451系唯一のグロベン車で登場しました。451系は全部で54両が製作されたことになります。 この編成は、最初に登場(S34)のグループの452+最後増備(S37)グループの1451。 上石神井 昭和43年 (各写真はクリックで原寸となります) 初代481F 482+1482+1481+481 未だ露出式標識灯。 井荻 昭和38年 池袋線に配置されていた1487+452と701系6連。 ひばりヶ丘~東久留米 昭和43年 西武園線の初代483F西武園行急行 483+1483+1484+484 東村山~西武園 昭和37年 こちらは1455+456。グロベンとガラベンの組み合せ。 萩山 昭和38年 この側面の窓配置は、601系までと、飛んで3000系に引き継がれました。 サハ1476 上石神井 昭和43年 池袋線配置の頃初代483F 483+1483+1484+484 保谷~ひばりヶ丘 昭和36年 登場時のオリジナル塗装車、462+1461 柳瀬(元)信号所 昭和36年 451系番号変遷と譲渡先 (451系は難解ですね。誤り等あるかも知れません。ご容赦ください) クモハ 451→三岐クモハ601 452→一畑デハ82 453→三岐クモハ603 454→一畑デハ83 455→1471(Tc化) 456→472 457 458 459 460 461→上信クモハ105(尚上信での連結相手は元西武1601形の1662→クハ105) 462 463→上信クモハ103 464→上信クハ102 465 466→上信クハ103 467→上信クモハ102 468→上信クハ101 469 470 471→三岐クモハ605 472→1472(Tc化)→三岐クハ1606 473 474 481→475 482→476 483→477 484→478 485→479 486→480 487→481→455→上信クモハ101 488→482(事故廃車) サハ 1471→ 493(M化) 1472→1493 1473 1474 1481→1475 1482→1476 1483→1477 1484→1478 1485→1479 1486→1480 1487→1481→ 497(M化) 1488→1482→1497 1489→(一時301・302と編成)→1483(一時483・484と編成)→499(M化) 1490→(一時301・302と編成)→1484(一時483・484と編成)→1499 1491→(一時303・304と編成)→1485(一時455・456と編成)→495(M化) 1492→(一時303・304と編成)→1486(一時455・456と編成)→1495 クハ 1451→1487一畑クハ182 1452→1488→三岐クハ1602 1453→1489→一畑クハ183 1454→1490→三岐クハ1604 1455→483(Mc化)→1485→一畑クハ181 1456→484(Mc化)→ 456→一畑デハ81 最終編成表 6連口 473+1473+493+1493+1474+474 475+1475+495+1495+1476+476 477+1477+497+1497+1478+478 479+1479+499+1499+1480+480 2連口( )内車番は451形以外の形式 451+1488 1487+452 453+1490 1489+454 455+(1434) 1485+456 457+(1658) (1657)+458 459+(1660) (1659)+460 461+(1662) (1661)+462 463+(1444) (1443)+464 465+(1446) (1445)+466 467+(1442) (1441)+468 469+(1450) (1449)+470 471+1472 1471+472 車内 台車は全て電動車DT10(TR14)、付随車TR11でした。473及1482までプレーン軸受けでの出場です。 後年、全車コロ軸受け及び制動特性統一の為レジンシュー化されました。 (ブログ内掲載の写真・記事等の転載はお断りします。)
by tetudankai5501
| 2012-02-05 17:32
| 西武鉄道
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Comments(12)
私の記憶は昭和40年代ですが、新宿線の451系はやはり1411とのコンビの記憶です。ですからどちらかと言うと地味な存在で、「拝島・多摩湖」行の印象です。
それが池袋線沿線にに引っ越して、池袋線の451系が6両固定で準急に使われているのにビックリ!主役って感じでしたから。 451系のモハ491形で前・後・下から釣掛の音を聞くのが大好きでした。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-05 22:13
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ひろみや様 ご覧頂き有難う御座います。
451系の6連、昭和50年頃は、4本全車が池袋線に集められていました。確か475の正面 Hゴムが411系の様にワイパー部の凸が無くて直線状だったのが印象に残っています。 551系6連と共に良く朝の急行に10連で入っていたと思います。吊り掛け単独で走行時 CS5のカム段数が少なくて、進段時のショックが大きかったですね。 451系の6連口は昭和55年頃に廃車。一方551系の6連口は4連に戻され、更に1651に組直して 昭和60年代まで生き延びました。
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清68
at 2012-02-05 23:45
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ワイパーの根元、お写真を拝見すると、当初はワイパーは窓角にあったようで、もともと窓は直線状だったのですね。475だけは試しに直線状のままでワイパーを移設してみた、というところでしょうか。
475は昭和58年3月25日頃に廃車されたと記憶しております。 最終期は、朝の通勤急行で池袋→急行で飯能往復→準急で小手指へ、というのが毎日のパターンでした。この運用以外は使われていなかったようで、まさに通勤電車として運用を全うして生涯を終えたのだと思います。この運用時の編成相手は701または551で、ほとんどの場合池袋寄りに増結されており、476が池袋行きの先頭になることはまれでした。 451系の改番の変遷は本当に複雑ですね。なぜ6連は473からなのか?491系の元のサハはどの編成から調達したのか?など疑問を抱いてから40年近く。団塊鉄ちゃん様に時代を追って説明していただき、ようやく理解出来たところです。有難うございます。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-06 03:54
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清68様 いつも御覧くださり有難う御座います。大変励みになります。
何時も弊ブログにコメント頂き恐縮です。大変詳細なことまで覚えておられて驚いて 居ります。私が西武沿線を離れたのが、昭和50年代中頃でしたので、その頃は未だ 池袋線の451系6連口は健在でした。朝の通勤時に上りでかぶりついて居りましたら 仰るように451の6連を先頭にした急行や回送が10連で下って来たのを覚えています。 451系の改番や改造の変遷は、まことに厄介な経緯を辿っていますが、これも所工 という自社工場を持っていたから自由にできたのでしょうね。余談ですが、最後に新造 したクハ6両などは、モハに転用出来るよう初めからモーター点検孔が床面に切って 有りました。そういえば点検孔の枠も形式により違いが有りましたね。いろいろ思い 出してしまいます。それにしてもあの頃の西武は、まるでパズルのような事をしてまで 車両の有効活用をしていましたね。昨今は当時と較べると簡単に編成ごと廃車になって しまいます。
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tunosuke at 2012-02-07 23:45
昭和50年前後、451系の6連は551系の6連と共に準急で飯能や西武秩父に入っていました。同じ6連でも101系の冷房車はなぜか各停小手指行きで、パワーが半分でツリカケの車輌がなんで優等列車で山越えをするのか理解できませんでした。
晩年の451系は新宿線でも運用されていました。昼間に2+6の8両で上り準急で折り返し上石神井に入庫?していたと思います。なぜかこの準急に何回か乗車した記憶があります。 朝の通勤急行で、高田馬場手前のカーブ・上り坂で停車した後の起動時、すごいショックの割には前に進まず、後ろに下がっているかのような非力な走りも記憶に残っています。 2連は支線・増結というイメージで、新宿よりにぶら下がっていたという地味な印象です。
お世話になります。 西武を離れた後の車輌運用、大変 参考になります。 451系による本線系最後の運用は新宿線で、昭和60年位まであった様に思います。 当時 私は学生で、夕方の急行(6連?)に 南大塚~上石神井まで何回か乗った記憶があります。 これがある日、いきなり非吊り掛けの編成となってしまい、「写真や音をとればよかった」と思っても後の祭り・・。 それから慌てて首都圏に残っていた吊り掛けの音を録って回ったのでありました。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-08 02:22
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つのすけ様 何時も有難う御座います。
451系といえばやはり新宿線のイメージがあります。最初に投入したのも新宿線でした。 昭和34年だったとおもいますが、新宿線にデビューするのは知っていたのだと思いますが、 当時桜台に住んでいたので、新車見たさに良く上石神井に行きました。が車庫ではなく 実際に見れたのは、鷺宮の駅でした。今までの501系とは全く違う車体に驚いた事、昨日 の出来事の様に思い出します。池袋線に配属されたのは、それから一年以上後の事で した。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-02-08 02:24
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451系オヤジ様 ご覧頂き有難う御座います。
新宿線の758の録音、聞かせて頂きました。MT54の重厚な走行音懐かしいです。 ロングレールではないジョイント音が素晴らしいです。私が西武沿線を離れた頃は 未だ赤電のスジだったので、101系は勿論、701系もとろとろ走っていて、退屈な走行 音でしたよ。 是政線の551はFS40に履き替えてからの音だとおもいますが、あの吊り掛けサウンド 忘れられません。これぞ西武といった感じで聞きほれてしまいました。 451系の変遷はとても難解です。まるでパズルを解くような編成替えで車両のやり繰り をしていました。今では考えられない事ですね。
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まだ無い
at 2017-12-27 19:00
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先日は有難うございました。
451系の6両固定編成は、更にモハ491形サハ1491形の連結位置が変更され、最終的に 473+1473+1474+493+1493+474 の様な形になったそうですが、これは補助電源装置の変更(交流化)に伴い、給電区分が2-2-2から3-3になった事に遠因があるらしいですね。 451系も末期の頃の改造になりますと昭和50年代に近づき、全体としては情報が決して少なくない時代であるにもかかわらず、比較的な大きな改造である当改造や前照灯のシールドビーム化等、正確な期日が分らず、この編成組み替えも具体的な背景が分らない点は、歯痒く感じられます。
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tetudankai5501 at 2017-12-29 00:04
まだ無い様。コメント有難うございます。
451系は一次製造車はクモハ451のみ20両、二次車はクモハ471+サハ1471の背中合わせ4両固定6本の24両、 三次車はサハ1471+1471のみ2本4両、最終四次車はクハ1451のみ6両でこの6両は551系の後でしたからグロ ベンとなりました。製造両数は計54両。Mc車32両、T車16両、Tc車6両が新製されたこととなります。 後の車両編成変遷は複雑難解で頭が痛くなりますね。 451系も551系末期同様、低圧電源のAc化を行い室内蛍光灯のDc20W→Ac40W化、扇風機のAcブラシレス化 を実施して保守の手間が大分軽減されたようでした。交流MGは801系から新規採用で、701系は恐らくTc台車 のFs072化と同時に交流MGに置き換えられたので、これらの車両の冷改化の際の発生部品を流用したものと 思われます。尚701系の非冷房40W置き換え車の室内灯は台座の付いた露出式でしたので、一見して改造車 と判るものでした。 451系6連組は当初は各T車に1.5KwMGが付いていましたので、全体で4.5Kwと小出力でしたが、MG交流化後は 12KVA×2と大幅にUpしたようです。
こんにちは。
その時代の経済性や合理性をそのまま形にしたような車体と、前時代の陳腐化した走行機器の組み合わせが、とても興味深い車両です。お写真にもあります、見るからに古めかしい台車は、この車体と組み合わせられると違和感も感じますし、趣味的な目線では関心を惹きつけられます。 まだまだ、古い時代の鉄道車両の機構が現役で生きていた時代だったのですね。 風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
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tetudankai5501 at 2019-06-28 11:56
> 風旅記 さま
ご覧いただき有難うございます 西武451形は当時の国鉄101形を模した車体に戦前型省線電車の足回りを組み合わせ たセミ新車ですが、これは昭和30年代半ばまで続いた西武電車の車両増備の標準系で 取り敢えず走れば良しの運用ダイヤでした。 当時は東京西部の急激なスプロール化で当座の輸送力確保が最重要故に、車両性能 等は二の次と言った状況でした。 西武線がセミ新車スパイラルから脱却したのは秩父線が開通し特急列車や101系が登場 した昭和44年からだと思います。
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