今回は電車ではなくて、車の話です。 今から17年位以前のことですが、ずっと気になっていた車がありました。シトロエンXMのワゴン 車です。独特なスタイルと機構に心惹かれていました。ところが当時地元には扱いディーラー が無く見ることが出来ません。ネットなど無い時代ですので雑誌を頼りに探したところ、横浜の 販売店に在庫が有る事が判りました。電話をしてみると見に来てくれと言う事なので、さっそく 出掛けて行きました。場所は東名横浜インター付近なので、新横浜からレンタカーを借りました。 店に着くと有りました。始めてみる憧れのXMワゴン(ブレークとも言います)です。ディーラー の展示車でしたが、もう2年も売れづに在庫していたそうです。ちょっと癖のあるスタイルと流通 量の少なさから、一般的には売れ筋から遠いところにある車種なのですが、好みの紺色・フル 装備・そして希少なワゴンタイプで、何よりも大幅値引きをするという事でした。 これはもう考えている余地も無く、購入することにしました。販売店が今は無き西武セゾン系の ディーラーだったのも西武電車とは関係なくても、一寸気に入りました。 で一つだけちょっとした(大切なことかも)問題が有りました。メンテナンスを何処でするかという ことなのですが、地元には扱い店が無い為なのですが、店長の知り合いの方が地元で仏車を扱 かっているので、ちょっとした普段のメンテはそこで行う事となり、晴れて問題解決です。 一週間後に現車を受け取りに行き、東名・山陽道と900Kmほど一気に走って自宅まで戻りました。 シトロエンといえば、ハイドロニューマッチック、つまりオイルと窒素ガスの封入されたスファイア と呼ばれる球体がサスとなっていて、一種のオイルダンパー付きエアーサスペンションなのです。 電車好きの自分には、このサスの乗り心地は最高でした。エンジンは旧型のSOHC6気筒なので パワーは有りませんが、高速道路の巡航はちょっと大げさに言えば、クルーズ船に乗ったような 気分です。電車に例えれば、吊り掛け駆動のエアサス車というこのになりますか。西武の501系? 否、FS40を履いた551系の乗り心地と言えばお解りいただけるかと思います。 恐れていた故障も無く、12年位で走行10万キロを超えました。確かに細かなところの不具合は 色々有りましたし、電機系統も良く壊れましたが、多少の事は自分で何とか修理しました。但し 車検や、消耗部品の交換等はわざわざ練馬の谷原に有ったディーラー工場まで持って行きました。 調子に乗って、その頃姉妹車のエクザンティアの中古も購入してしまいました。同じような車が 2台になってしまいました。こちらは少し小型ですが、機構はXMと同じです。 いろいろ普通では無かった、かつての愛車シトロエンXM 5年ほど前に廃車です. ところが両車共に10万キロを超えた頃から、故障が、それも大きな問題が生じて来ました。(まあ国 産車でもそれ位が節目かも知れませんが・・・)例のハイドロオイルが配管の劣化などで洩れるように なったのです。 当時のシトロエン車のハイドロオイルは、サス周りだけでは無く、ブレーキ・パワステも同じ循環オイル を使用していたのです。オイル循環はエンジン駆動のオイルポンプで加圧するのですが、このオイル 圧が抜けると、パワステが効かなくなる、サスが下がって車高短になる、そして最後にブレーキが効 かなくなると言う順に大変な事になるのです。こういう最悪な事態になる前に、アラームで告知される ので大事に至ったことは有りませんでしたが、このオイル洩れには泣かされました。 パワステ周りや、循環パイプの継ぎ手付近からの漏れなのですが、終いには何度同じところを修理 したでしょうか。止めは例のオイルポンプの故障です。これが壊れると走れません。エンジンよりも大事 なのです。小型のダイナモ位の大きさなのですが、聞けば何と部品代が数十万円。これが潮時かと思 いついにXMを降りる事にしました。最後は16万キロ位まで頑張ったので、愛着もひとしおだったので したが・・・・。ついでにエクザンティアも同様に諦めました。 XMの姉妹車、エクザンティア これも同時期に廃車です。妻は両者の区別が 最後まで付きませんでした。 それでシトロエンは懲りて暫く「普通の」車に乗っていたのですが、地元にも出来た扱い店を覗いて 見たのが運の付き、そこに有ったのはXMの2世代後の後継車でした。聞けばハイドロニューマチック は大幅に進化して例のエアーサスのみが油圧駆動で、ブレーキ・パワステは一般な機構となり、ハイドロ 系統とは切り離し独立した油圧系となったそうでした。例のオイルポンプも電動式となり格段の進歩です。 これだったら安心して、またあの乗り心地が味わえると考え再び凝りもせずに現行C5を購入しました。 さすがに2世代後の車はXM時代とは比較できないほど各部改良されていて優秀です。壊れません。 もう3年以上乗っていますが細かな故障も皆無なのです。 一寸拍子抜けするほど壊れません。乗っていて安心なのが何よりです。もし一頃のシトロエン車に 乗っておられて懲りた方がおられたら、一度今のシトロエンを見直しても宜しいのかとおもいます。 (ブログ内掲載の写真・記事等の転載はお断りします。)
by tetudankai5501
| 2012-03-06 17:28
| くるま
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Comments(6)
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ホビぽっぽ
at 2012-03-06 18:44
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私の知人にも年式違いで乗っていた人がいました。
高速巡行はさすがヨーロッパ車、荷物を積んで長距離をバカンスに行くという使い方にはぴったりで、日本車のようなレスポンスはないもののおとなしくいつまでも走れる、と言っていました。 排気量が小さいので燃費や税金でも有利です。 サスの動きがまた別格で、私が自分の車で後ろをついて走っている時に車高調節を上げて砂利道に入ったら、見ているだけで「!」でした。 ヨーロッパ車は部品や修理に悩みますが、開発者の息遣いや主張が感じられ、日本車にはない個性がそれぞれにありますね。 開発者の狙いとユーザーの用途が一致した時のマッチングは何物にも代えがたいところです。 そんなことで現在私はUK製を所有するようになりました。
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団塊鉄ちゃん
at 2012-03-06 21:14
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ホビぽっぽ様 コメント頂き有難う御座います。
仰るように確かに欧州車での長距離クルーズは格別なものが有りますね。何処までも走って 行けそうな、そんな気分にさせてくれます。但し一般的にエンジンには凝らないようです。 各車共通で開発したエンジンを載せています。確かにレスポンスより巡航性能を重要視 していると思います。街乗用でしたら、最良の選択は日本の軽自動車だと思います。 燃費は良いし維持費が助かります。そんな訳で自分は普段の街乗りは軽自動車に乗って います。
こんばんは。
調べ物をしておりしまたらたまたまこちらを拝見いたしました。 読んでいて笑ってしまいまして。 実は現時点で私の所有者がXMブレーク2.5TD(シルバー)とXantiaブレーク1.9TD(モスグリーン)の二本建て、まさに貴殿と全く同じ状況だったものです。 ただ私の場合はXMが現行で2台目となります。 XMは現時点で17万キロほど、Xantiaは25万キロを超えました。 Xantiaは全くといってよいほど壊れませんが、XMは本当に電装関連がいろいろと壊れます。 Xantiaで節約した分がXMに使われている気がいたしました。 ただこの世の中に私以外にもXMとXantiaのブレークを同時に保有されていた方がいらっしゃったのかと思うと非常に親近感が沸きましたのでご挨拶させていただきました。 当地でもXMは最近まず見かけることはなく、一昨日、高速でたまたま走っておりましたらスイスナンバーののXMブレーク(緑色)がかなりのペースで走って行くのをみかけました。 最後になりますがちらでは10万キロあたりで壊れるということはまずありませんのでやはり湿気などの環境が日本と異なるのかもしれません。 それではどうもお邪魔いたしました。
酒井 様 お読み頂き有難う御座います。
貴殿はフランスご在住と拝察いたしますが、2台とも本国使用のターボ・ディーゼルなのですね。 日本仕様とはエンジンが違いますが、全く同じ車種をお持ちとは奇遇ですね。よろしくお願い致します。 車個体にはそれぞれ当たり、はずれが有るのかも知れませんが、私のXantiaは中古購入だったせいか とても泣かされました。始めに空調が壊れ、次がフロントガラス下から盛大に雨水浸入、その後エンジン オイル漏れ、止めがハイドロオイルの漏れでした。XMも10万キロ程度までは至極調子が良かったのですが その後は色々なことがありました。しかし有る意味勉強にもなりました。一寸高い勉強代でしたけれど。 現行C5に乗り換えてからは、シトロエンとは思えないほど?壊れません。昨年秋に車検を受けましたが その後も故障知らずなのです。このままの調子でずっと走って欲しいものです。 日本では、最近DSシリーズを街で見かけるようになりました。少しずつシトロエンも浸透し始めているようです。 今回はコメント有難うございました。
すみません、コメントにご返答はつけないつもりだったのですが・・・
当方、フランスではなく、イタリア在です。(サイトのリンクを付けたのですがご覧いただけなかったようですね) また当方所有の二台とも中古車です。 所有歴は一番最初がBXの初期型、次にBXの後期型、そして初代XM2.1TDブレーク(シルバー)となります。 もともとはCXが大好きだったのですがやはり維持のことを考え、デザインが美しいXMにいたしました。しかし上記の一代目は100万円相当が3ヶ月で潰れたのでお金がなくなり、泣く泣く叩き売り状態の10年落ちの現在のXantiaブレークを入手、そしてずっと探して2年後に現在のXM二代目を入手、という経緯です。 今日地元のシトロエン・イタリアに用事で行って来たのですが現行のC4、C5、DS3、DS4、DS5、生まれて初めて座ってきましたが皆どれも運転席がかなり狭く、黒く、かなりの圧迫感を感じました。私はずっとシトロエンしか乗ってきませんでしたがここまで狭いとは・・・と次回は別メーカーに逃げる予定になってしまいました。 但し少なくとも後5年は現行体制のままの二台と一緒だと思います。 それでは重ねて本当にありがとうございました。
酒井様 貴サイトのリンク見逃しておりました。イタリアご在住なのですね。大変失礼しました。
私もXMからC5に乗り換えた時は運転席周りが少しタイトに感じましたが、慣れてきますと 全く気にならなくなりました。ただ全体の開放感はXMブレークの方が上だと思いますが、最近の 車は比較的ウエストラインが高いので、ひときわXMの大きなサイドガラスが好きでした。 メーター周りも前衛的で好ましかったのですが、ブレークは何故か2本スポークハンドルでスイッチ 等が見難いのと、シトロエンは例の一本スポークハンドルでないといけないと言う信仰?からセダン用 のハンドルに購入後直ぐに付け替えたりしておりました。私はあのハイドロの乗り心地が好みですので これからもずっと乗り続けると思います。酒井様もC6辺りでしたら運転席周りにも余裕が有ると想われ ますので、他車に行かれる前に是非ご検討下さい。余計なおせっかいですね。重ねて失礼いたしました。
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