クハ1101 小手指区 昭和43年12月
久しぶりに西武電車の昔話です。 旧101系は昭和44年10月の西武秩父線開業に備えて製作された通勤用車両ですが、従来の 801系までのいわゆる赤電とは組成を考慮しない、新系列として登場しました。この年は101系 ・初の特急車5000系・私鉄初のEF電機E851と秩父開業新車トリオが揃って登場して西武にと っては正に画期的な年でした。 101系は秩父線の25‰勾配と正丸峠越えに対処する為、当時狭軌最大級の150Kw主電動機 と抑速付きHSC-D制動装置・応加重装置付きと性能的には従来の車両とは一線を引く画期 的な車両でした。ただその車体は前年に登場した最後の赤電801系と全く同様だったのが少々 残念でした。性能が一新したのですから、その車体もそれに相応しく赤電とは訣別して欲しかっ たと思います。その反面特急車5000系は初の特急専用車で高性能車に相応しい車体で登場し 非常に注目された存在でした。101系は801系の色変わりという車体ですので新鮮味に乏しかっ たのです。 最初の101Fが登場したのは、秩父線開業の10ヶ月前の昭和43年12月の末でしたが、最終的に 4連50編成、6連13編成の278両が昭和51年まで製作されます。この後は新宿線用として2000系 が製造されるのですが、池袋線では4扉車は馴染まないとして、昭和54年以降新101系が製造さ れています。新101系は301系も含め156両が製作され新旧101系は結局、434両の大所帯と成り ます。秩父線開業後暫くは昼間優等列車の秩父直通運転が実施されていましたが、その後見直 しが行われ大半の列車が飯能止まりとなります。飯能~西武秩父間は区間列車としてN101系 2連が往復し、その後4000系がその任に就きます。 従って後年は一部秩父鉄道乗り入れ車を除く大半の101系は山越えすることなく平坦な路線を 走っていた事になります。又赤電が本線廃止になるまでは、ダイヤが赤電スジで在ったので その高出力を持て余しておりました。 後継の3000系が中途半端な存在になってしまう前に、新101系列からN2000系に切り替えて 置くのが得策だったのではなかろうかと思います。 しかし101系登場時、従来の赤電達とは全く違うその性能に驚嘆しました。車体が801系と同様 だったので尚更の感がありました。4ノッチ投入で直ぐ当時普通列車の制限速度85Kmに達して しまうものですから、3ノッチで流している運転士さんが多かったのです。5000系特急車の制限速 度は比較的早い時期から105Kmとなっていたのが救いでした。 今回は、101系低運車の登場時の頃の姿を数枚集めました。例によって既出写真が多くて申し 訳有りません。 秩父線開通後間もない頃の101系池袋直通準急 111F 昭和44年12月 こちらは西武秩父行準急 121F 昭和44年12月 開業時は秩父線の殆どの列車が池袋直通でした。 昭和44年12月 完成後小手指検車区にて整備中の101F 昭和44年1月 同じく同車 同じくモハ101 同じくクハ1102 所工から回送後小手指庫内にて暫く留置 クハ1102 昭和43年12月 こちらは159Fイベント赤電復刻塗装 横瀬にて 平成13年10月 同160+1160 FS072台車 (ブログ内写真・記載内容の転載及び現業問合せ等はご遠慮下さい) 関連記事 西武秩父線開通のころ
by tetudankai5501
| 2012-05-13 22:41
| 西武鉄道
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Comments(8)
101系と言うと思い出があります。
登場から間もない頃だと思いますが、東久留米の線路沿いにある眼科に通院していたことがあります。 そこで度々「黄色い西武線」を目撃するのですが、いつも顔を見ることができませんでした。こども心に701系のような顔や411系みたいな顔を想像していました。 後に実車を見て納得するのですが、411系タイプの顔の黄色い電車が、後日401系として現れるとは、当時は予想できませんでした。
つのすけ様 いつもありがとう御座います。
101系の最初の印象は、黄色い西武線?総武線の101系みたいでとても違和感 が有りました。車体も801系と同じなのであの正面形状には赤電の塗り分け以外 は似合わないと思いました。折角の高性能車なのですからもっと斬新な車体形状 を期待してしまいました。 159Fは何と2週間だけの赤電でしたね。とても似合っていたのに残念でした。
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1005-1006-2003
at 2012-05-14 22:42
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登場時の101系101F、塗分位置がちょっと違ったようですね。ウオームグレーが目立ちすぎるため、レモンイエローの部分がその後広がっています。101Fもすぐに修正されたのでしょうか? ラインの位置がずれた編成の連結写真を見た覚えがありませんので…
そんな、赤電と101の塗装違いのため、復活赤電159Fは心配した社紋の位置が塗分線にかかってしまったのはちょっと残念でした。 まだN101系が登場する前、池袋⇔西武秩父は平日夕方のラッシュ時間帯には、小手指まで10両で運転し、ここで2両を切り離し8両で秩父へ向かうものが2本ありました。殆どが101系の単調な秩父線、701系に混じり、501系の釣り掛けの唸りが山の中を響いていたのは懐かしい思い出です。
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清68
at 2012-05-14 23:17
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生まれたての101F、美しいです。
目の前でご覧になられた実車はそれこそまばゆいばかりに輝いていたのでしょうね。 黄色い電車が来るまで線路端で粘った子供のころを思い出します。 101Fの独特の低い位置のレタリングも懐かしいですね。 トップナンバーという栄誉も相まって、特別な存在をアピールしているように思えます。この番号がやってくると、緊張して襟を正したものでした。 冷改される寸前、101+103の連番で8連を組んで走っていました。 秩父に向けて勇ましく走り出した頃の想い出を語り合いながら、デビュー当時の姿に別れを告げていたのでしょうか…。
1005-1006-2003様 コメント頂戴しありがとう御座います。
最初に登場した101Fは窓周りのウオームグレーが幅広でしたね。腰周りは赤電の 塗り分けラインと同じ位置だったのですが、103Fからは修正されていました。 101Fの塗装は暫くそのままで、恐らく次の要検で修正されたと思います。秩父線 開業時に撮った写真を見ると登場時のままの塗り分けでした。 159Fの赤電は良く似合っていたと思いましたが、どことなく801系と雰囲気が違うのは 台枠厚みの相違からかも知れません。たった2週間で黄色に戻されたのは残念でした。 又2000系あたりで赤電クラッシックなど100年記念で再現されたらなどと想っております。
清68さま ご覧頂きありがとう御座います。
仰るように、新製直後の101F黄色の塗装が非常に目立っておりました。西武は 最初ASカーと呼んでいましたが、定着しませんでしたね。きっと南海ズームカー を意識したのかと思います。南海ズームカーも橋本から極楽橋間は山岳路線で 西武秩父線と似た路線です。最初は秩父線直通運用専用の山用電車で所要本数 に達したら製造打ち止めかと思ったのですが、最終的に400両を越える当時の最多 数両になってしまいました。平坦線用には別形式を増備したほうが経済的なので しょうが、4M2T編成などが登場し、西武も一頃とは随分変わったものだと感心し たものです。
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ホビぽっぽ
at 2012-05-16 21:06
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101系、赤電のかたきのようなイメージもありますが、思い出の車両です。
小学校の遠足や、ハイキングで秩父に行く時は赤電よりもずっと頼もしく感じたものです。 「これで西武も一人前の大手私鉄だ」という性能を持っていながら、遅延回復以外では本気で走っていないのがもったいないと思いました。 弱界磁に入った時のホワーという音と加速は今でも強く印象に残っています。
ホビぽっぽ様 いつもありがとう御座います。
101系は赤電混在時代は在来車と共通運用でしたので、その性能を発揮 出来ずにいましたね。仰るように稀に4ノッチの弱め界磁に進段させると更に ぐっと引っ張られる感じで、直ぐに制限速度に達してしまいました。赤電は85 Km/hだったと思いますが、101系・5000系はATS照査制限速度は105Km/h でしたでしょうか。しかし5000系以外はその性能を持て余しておりました。 特に4M2T編成など特急以外は3ノッチで充分スジに乗っていました。
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